お蕎麦やさんでのアルバイト

学生の頃、地元にあるお蕎麦屋さんでアルバイトをしたことがある。自分は知らなかったけど、かなり有名なお店だったようで日曜日や祭日には隣県からわざわざこの店目当てに訪れるお客さんがかなりいた。
まだ自分は十代の学生だったので、お蕎麦の美味しさというかありがたみがあまりわからなかった。大人になった今、蕎麦の新鮮な香りを楽しめることは貴重な体験だったんだな、ということに気付いた。つくづく残念なことだと実感する。
ざるそば、人によっては盛りそば、そして地場産の野菜の天ぷらのセットが人気だったかな。ご主人はアルバイトの自分にも気安い人で、いつもニコニコ笑顔を絶やさない人だった。ちょいちょい見学させてもらったけど、コンコンと包丁で御蕎麦を切っている姿が好きだった。個人的な感想だけど、あの打ち立ての御蕎麦っていうのはとても美しいものだと思う。
たまにまかないで食べさせてもらった御蕎麦は、出汁の香りが染み渡って美味しかった。もっとあの御蕎麦やさんで蕎麦の味を楽しめば良かったと思う。