アルバイト先で私がもらったもの

大学に入って初めての一人暮らし。寂しさや心細さより、自由を手に入れた楽しさで毎日がいっぱいでした。
一番熱心にしていたのは、近くのファーストフード店でのアルバイトです。周りの友達はサークルの活動に一生懸命でしたが、私はあまり合うサークルが見つからず、バイト先に入り浸ってました。
毎日、大学が終わった17時からラスト23時までのアルバイト。学生街だったので、同じ大学も含めて同年代の子たちがたくさんいました。その一方で、昼間のパートさんたちとのゴタゴタ・和解もありました。
同じ店でバイトしていた子たちはだいたい同じようにサークルにもあまり行かず、バイト先に入り浸っていたので、まるでサークルのようになっていました。
年上の先輩に片思いして、それが慕っていた女の先輩によって壊れてしまったり、同い年の子たちと遊びに行ったり。夜の掃除を担当しているパートさんにはタイ人の方もいて、タイのフルーツは美味しいとかお寺に行けばどこでもただで泊めてもらえるとか、嘘のような本当のような話をたくさん聞いたりしました。
お酒を覚えたのもそのバイト先でした。そして、初めて飲みに連れて行ってもらった私は羽目をはずしすぎて、次の日二日酔いでバイトに行けず、大目玉をくらったりもしました。
沢山の仲間とたくさん笑って、たくさん泣いて、怒られ、可愛がられ、山ほど思い出をもらいました。
ずっと同じ仲間で働いたり遊んだりしたかったのですが、学生アルバイトが多かったので、どうしても就職活動とか卒業とかの影響を受けずにはいられませんでした。好きだった先輩も、卒業とともに辞めてしまったし、人の入れ替わりでだんだん雰囲気も変わっていきました。去っていく人の背中を見たり、変わっていく中で自分も先輩になっていかなければいけなかったのは、寂しい物がありました。
しかし、そんな私自身も学部が薬学部だったので、進級するにつれて実験などが忙しくなり、辞めざるを得なくなりました。餞別としてもらった非売品の店で使っているティーカップとソーサーは、あの頃の甘酸っぱい思い出とともに今でも大切にとってあります。