ジャズ研との出会い

大学1年生の時ジャズ研に入ったのは、全くの偶然と勢いとしか言いようがありません。
サークル見学中にたまたま足が留まり、聞き入った演奏がジャズ研でした。
ピアノ演奏に聴き入っていた私に、「何か弾けるんでしょ、弾いてみてよ」と急に1人の男子に
声をかけられます。地味でオタク風な風貌ながら、あまりに重厚なその声に押され、
ショパンの即興曲を弾くはめになっていました。
ジャズはラジオで聞いていたものの、ジャズは未知の世界です。クラシックしかやったことの
ない私ではありましたが、なんとなく流れで入部をしました。1年生の時はもっぱら、
先輩の話や演奏を聞いたり、ジャズ喫茶に連れて行ってもらったりが殆どですが、
結構熱心な方だったと思います。でも実際ジャズをライブで演奏するのは、そう簡単でない
のも分かってきます。理論の本も読んでみました、しかしすぐに技量が身に付いてアドリブが
弾けるようにはなりません。ジャズだって、いろんなコードや旋律が決まっているからです。
そんな自分の中の焦燥感を抱えたまま、いろんなプレーヤーの演奏を聴きこんだのはある意味
良かったのでしょう。”LoverMan”という曲を密かに練習し、学園祭の時ピアノトリオで演奏
することになったのです。私のアドリブの時、緊張していたので最後までどう弾いたかなど
覚えてませんが、学園祭ならではの乗りに助けられなんとか弾き切りました。
その1回きりの人前での演奏が、ジャズ研の一員だという私の確かな証になりました。
興奮した楽しい時間でした。しかし高学年になるにつれ忙しくなりだんだん遠のいた
ジャズ研でしたが、今思えば私の中では、何かに縛られることなく自由に音楽に向っていた
その1年生の時が、大学生活の中で一番篤い時間だったと覚えています。