一日だけの引越しアルバイト

学生時代、一度だけ、引越しのサカイでアルバイトをしたことがあります。
その頃はアルバイトにも男女雇用機会均等法の波が押し寄せた頃で、男子学生のみ、女子学生のみ、といった募集の仕方ができなくなった頃でした。
いつものように大学の厚生課の掲示板で見つけた引越し作業の単発アルバイト。
暗黙の了解で、書いてなくても男子学生しか欲しくないに決まってる…。わかってはいたのですが、高額な自給に惹かれて駄目でもともと、と電話を掛けました。

さすがに電話口で「えっ、女性…」と言われましたが、何とか採用してもらうことができました。
当日はおなじみのオレンジの制服に着替えて正社員の人と混じって働きました。
他にも何人かアルバイトはいましたが、女性は私一人だけ。
荷物運びは任せられない、ということで、荷詰めの作業をおじさん、おばさんペアのベテラン社員の方と一緒にすることになりました。
依頼人が全く荷造りをしていなかったので、一からの作業。
社員さんもこんなに何にもしていない家は初めて、とあきれるくらいのお家でした。

箱詰めする時は本ばかりを一緒に詰めたら重くて持てない、ああ、そんな風に入れたら下のものが潰れる等、ビシビシ指導が入りつつ作業は進みました。
一緒に作業をしているうちに、容赦なく檄を飛ばして怖い印象だったおばさんも、作業が進むに連れてだんだん表情が柔らかくなり、バイトも終盤にさしかかると、にっこり笑って「お疲れ様」と言ってくれたことが忘れられません。

学生時代は色々なアルバイトをしましたが、このバイトが一番インパクトが残っていて、今でも印象深く覚えています。