先輩から後輩への伝統

大学進学のために地元をはなれて暮らしていましたが、住んでいた1ルームアパートには面白い伝統がありました。
通っていた大学からも近いという立地もあり、2階建てで8部屋あるアパートでしたが、住人は全て同じ大学の学生でした。それぞれ学年は違っても、同じアパートに住んでいるという共通項で先輩も後輩もとても仲がよく、いつも溜まり場になっている部屋があったり、料理が得意な先輩がメシを食べさせてくれる部屋があったりと寮みたいなアパートでした。
自分が2年になる時に卒業していく先輩からこのアパートに伝わる伝統儀式を行うと言われ、最初なんのことかわかりませんでした。話を聞くと卒業していく者が後輩に電化製品を引き継いでいるというのです。とりあえず揃っていたので不自由はしていませんでしたが、せっかくの気持ちなのでいただくことにしました。そして先輩が持ってきたのはなんとブラウン管のテレビだったのです、もちろん壊れていて映りません。これには全員が大爆笑しました。
そして引き継いだそのテレビは3年後、自分の卒業する時に後輩へと受け継がれていきました。