先輩に可愛がってもらった、ドイツ語研究会

わたしは大学時代、ドイツ語研究会というサークルに入っていました。高校生のころから読書が好きでヘルマン・ヘッセやトーマス・マンなどのドイツ文学が大好きだったため、ドイツ語研究会ならそういう文学書をドイツ語で読む機会もあるかもしれないと思い、ドイツ語研究会を選んだのでした。

ところが実際に入ってみると、ドイツ語を研究する人なんて誰もおらず集まってはのん気にトランプやゲームをしたり、お茶を飲んで世間話をしたりするとてもゆるいサークルだったんです。メンバーもドイツ語を使うことが多い医学部と特音と呼ばれる音楽を学ぶ学部の人がほとんどで、小学校教員課程なんかに所属しているのはわたしだけでした。

しかしほとんど男子ばかりだった医学部の先輩たちからは不思議に可愛がってもらい、俺たち君のファンクラブを作ったからと言われてあっけにとられたのを覚えています。小柄で元気いっぱいだったわたしは、彼らの妹のような存在だったのかもしれません。プレゼントをもらったり食事をごちそうしてもらうことも多く、ドイツ語とはほとんど無縁でしたがわたしにとっては居心地のいいサークルでした。