出前持ちのアルバイトで培った土地勘

私は学生の頃、そば屋などの出前持ちのアルバイトを結構長く経験しました。そのおかげで、或る特定のエリアについては隅から隅まで把握することができました。そのエリアの町のことなら、どこに何があるのか、どの路地を進むとどの大通りに出るのか、完全に記憶しました。
しかもそれだけではなくて、たとえ生まれて初めて行く町であっても、人よりも早く土地勘を身に付けることができるようにもなりました。この特技は社会人になってからも、色々な場面で大いに役に立ってくれました。
出前持ちの仕事というのは、時間との勝負です。いかにして短時間に安全に食べ物を届けるのか、それが問われるのです。ですから毎日毎日出前持ちをしていると、人よりも要領良く移動する術を身に付けることができるようになるのです。
それに長く出前持ちをやっていると、何となく空模様を読むのも上手になってゆきます。「ああ、もうすぐ雨が降るな」と思うと、本当に降ったりするのです。ちなみに悪天候の際の出前持ちの仕事は、何度やっても辛いものでした。これだけは慣れませんでした。