嫌な部室

私が所属していたフォークソングサークルは、部員が3人しかいない弱小サークルであることから、部室も日陰に追いやられていました。
在学生からは「ムショ」や「独房」などと囁かれていた不気味な建物の中に部室があり、毎日地下へと続く真っ暗な階段を下りて行かねばなりませんでした。
ここの建物は、単に暗くてジメジメしているだけではなく、思わずむせ返るほど銀杏の匂いがして臭かったのです。
階段の脇にイチョウの木が何本も植えられており、階段の一段一段に潰れた銀杏がいくつも落ちていました。
「暗い」と「臭い」から受けるマイナスポイントというのは凄まじく、サークル見学に来たピチピチの新入生を部室に案内する際にも「暗くて臭いけど、結構良いところだから」などとフォローでも何でもない言葉で必死に繕わなければなりませんでした。
そして、大半の新入生は暗くて臭いことが要因であるかはわかりませんが、もう二度と姿を現すことがなかったのです。