将来のヴィジョンをもって、就活する

私は現在、自分でギャラリーを経営しているのですが、現在の自分があるのは、10年前にしっかりと就職活動を行ったからだと思っています。

私は二十代の始め頃、しばらくフリーターをしていたのですが、周りの友達がみんな自分たちの夢を叶え始めているのを見て、『僕も何かをやらなければならない』と感じ、真剣にどこかに就職することを決意しました。
一ヶ月ほど真剣に思い悩んだ末、以前から何となく心にあったことですが、自分でギャラリーをやってみたいという結論に達しました。もちろんギャラリー業は知識だけでなく、幅広い人間関係を築かなければ成り立たない職業なので、思い立ってすぐにできるというものではありません。ですので、私はしばらくどこかで経験を積みながら、交友関係などギャラリー業に関係ある全てを勉強していこうと考えました。

就業先を選ぶにあたって、将来自分でギャラリーを開く為に、いまどのような経験が必要なのか、それを真剣に見極める作業を行いました。例えどこかに就職できたとしても、それが全く将来の為にならないことなら、貴重な二十代という時間を無駄にしてしまうことになりますから。

当然のことながら、自分の思惑にぴったり合うような仕事は簡単には見つかりませんでした。見つかったとしても、週2日程度のアルバイトや、関係のない雑用を要求する仕事ばかりでした。ギャラリーは諦めて、美術関係の仕事を探そうかと迷ったこともありましたが、自分の夢を諦めることはどうしてもできませんでした。

私は視点を変え、情報誌やネットではなく、自分の足でいろいろとまわってみることにしました。気に入っていたギャラリーを一つ一つ訪れ、そこのオーナーと話をし、生の情報を直接入手しようと考えたのです。

おそらく私は、都内にあるギャラリーの30軒は訪問したでしょう。その内の殆どは人手に困っていませんでしたが、幸運なことにある店のオーナーが私の話を聞き、『それだけ情熱があるなら、しばらくここでやってみないか』と仰って下さいました。もちろん私は全くの未熟者だったので、仕事ができなければすぐに首を切ると言われましたし、最初はアルバイトとして雇うという条件付きでした。
お給料はかなり安かったですが、私が好きなギャラリーでしたし、将来の自分の為に確実に有益だと確信したので、私はそのギャラリーで働かせてもらうことに決めました。

私がそのギャラリーの職を得たのは、就職活動を開始してから三ヶ月後のことでした。その期間、何度も諦めそうになりましたし、自分の目標を下げてしまいそうにもなりましたが、私は自分の未来予想図をはっきりと持っていたので、挫折せずにすんだのだと思います。

自分のヴィジョンをしっかりと持って、信念を貫き通すことができれば、必ず良いお仕事に巡り合えるものだと思います。神様は努力する人間に対して、必ずチャンスを与えてくれる……私は就職活動の経験から、そのように確信しています。