生まれて初めてのアルバイト

高校生の頃、徐々にアルバイトをし始める同級生が増え、その影響もあって先に始めていた友人のアルバイト先に行くことになりました。
そこは観光地の幹線道路沿いにあるドライブイン、初めての仕事は厨房の中での皿洗いでした。
バイトをするという言葉の響きになんとなく大人な匂いを感じて憧れていた私ですが、実際の仕事は長靴に白い上着と三角巾で決してかっこいいものではありません。
それでもドライブインの厨房というのはカウンター越しにお客さんと接することができ会話することも時にはあって、高校生の私には別の世界を見るような新鮮さを感じたものです。
次から次へとカウンターに返却されてくるお皿や丼を一日中洗うのはアルバイト初めての私でも簡単な仕事でした。
が、その単調さは時間の流れが止まったようにゆっくりとしか過ぎない退屈さがあったのも事実です。
それでも食べたお皿を返却していくお客さんの「ごちそうさま」は、洗うだけの私にもとてもうれしいものでした。
そんな小さなひとことで相手をちょっとだけ幸せな気持ちにすることができるのだと、それからは自分もお店の人に感謝の言葉を口にするように心がけるようになり、貴重なアルバイト体験になったと感じています。