金欠だった学生時代

いま振り返ると、学生時代はまったくお金に恵まれませんでした。大学四年間の学費は、両親から出してもらえたのですが、その後に進んだ大学院の学費まで面倒を見てもらうわけにはいきませんでした。そのため学生時代の終盤は、まわりの友人たちが次々と企業から内定をもらっているというのに、日雇いのアルバイトに明け暮れていました。大学院の学費を捻出するためでした。大学を卒業すれば、社会に出て働くものだと当然のように考えていた両親は、学費を出してくれるわけがありません。さらに進学先の大学院が県外にあり、下宿も必要でした。学費と下宿代をなんとかまかなうため、周囲の友人が卒業を控え、飲み会や卒業旅行と楽しい時間をすごしていた大学最後の春休みも、やはりアルバイトばかりでした。どうにか学費は貯まりましたが、下宿は少しでも家賃が安い物件を探すことにしました。見つかったのが関西で「文化住宅」と呼ばれるアパート。築年数も不明というほど古い建物でした。