Tシャツ事件

私が通っていた高校でも、毎年秋になると文化祭をやっていました。私は演劇部に所属していたので、わたしにとって高校の文化祭は、演劇部での発表会の日という感じでした。
わたしが文化祭の公演で一番思い出に残っているのは、「Tシャツ事件」です。
私が所属していた演劇部では、芝居の中に必ずダンスを取り入れていました。それで文化祭の公演では、ダンスに出る人の人数を3等分にして、赤いTシャツを着る人と青いTシャツを着る人、そして黄色いTシャツを着る人に分れようという話になって、わたしは黄色いTシャツを着る人になりました。
家にお気に入りのTシャツがありました。わたしは「どうしてもこれが着たい!」と思いました。だけどそれは、ギリギリ黄色に見えるか見えないか、黄色とオレンジ色で言ったら、どちらかというとオレンジ色、いや、はっきり言ってしまうと、当時のわたしの目には、「これを着たいフィルター」がかかっていたので黄色にも見えたのかもしれませんが、それは完全なるオレンジ色のTシャツでした。
だけどわたしはそれを着て舞台で踊りました。赤でも青でも黄色でもなく、ひとりだけオレンジ色なのに、お気に入りの服を着て踊っているから、ノリノリな気分で踊ることができました。
当時付き合っている人が公演を観に来てくれていて、後日、「君が一番目立っていたよ」と言ってくれました。